こんにちは!「アマチュア漬け物研究家・漬けもナー」です。
先日、所用で大阪へ出かける機会がありました。
初めは
「せっかく西に行くんだから、帰りは京都にでも寄って……」
みたいなことを考えていましたが、旅の計画は無残にも崩れ、大阪から一歩も出られずじまいでした。
京都で降りたいのに降りられない……
のんびりしてるところがあるので、計画通りに旅行できた試しがないのです笑
けれども、新大阪駅付近の土産物売り場を回って、「京漬物」を手に入れるというミッションは何とか達成することができました。
これだけは死守しないとね。
通販で買える便利な時代ではありますが、なぜか現地で手に入れたいというこだわりがあるのです!
京都の漬け物を新大阪で買うのを「現地調達」と呼べるのかはわかりませんが……
レジのおばちゃんから
「6時間以内に冷蔵庫に入れなアカンよー」
と言われましたが、それも想定の範囲内です。
品川から直帰です。
京都を代表する三大漬け物
ということで、今回は京都のお漬け物について触れてみたいと思います。
みなさんは、京都の漬け物と言えば何を思い浮かべるでしょうか?
これ、漬け物好きにはもはやド定番とも言えるのですが、京都には三大漬け物というのがあります。
それは、「千枚漬け」、「しば漬け」、「酸茎(すぐき)漬け」です。
さすが京都ということもあり、どれも古い歴史を持つものばかり。
今回、そのなかでは比較的に近い時代に生まれた「千枚漬け」を入手しました。
その魅力は何と言っても、京野菜の「聖護院かぶ」をまるごとスライスした見た目です。
真っ白な美しいかぶが、向こう側が透けて見えるほどに薄くスライスされ、キラキラと光を放つ姿。まさに、歴史と品格あふれる京都ならではの漬け物だと言えるでしょう。
「聖護院かぶを千枚になるくらい薄く切って漬けた」という方法が、そのまま名前の由来になっていると伝えられています。
千枚漬けが生まれたきっかけ
千枚漬けが生まれたのは、江戸時代後期の頃。
京都御所で料理人をしていた大黒屋藤三郎が、1865年に考案したとされています。
やはりこの頃から、味わいはもちろんのこと、見た目の美しさによって宮中でも評判になっていたようですね。
日本人の漬け物に対する美的感覚は、150年の時代の流れを経ても、それほどあまり変わっていないのでしょう。
ちなみに、この大黒屋藤三郎は御所から引退した後、千枚漬け本舗「大藤」の名で京都市内に暖簾を構えました。
そして、そこから何と150年経過した今も、大藤さんは変わらずにその味を受け継いでいます。
重要!購入する際の注意点
さて、今からとても大切なことをお伝えします。
千枚漬けは、しばらく置いておくと味が変わってしまいやすい漬け物なのです!
保存を目的として生まれたというよりは、旬の野菜を美味しくいただく方法として考案された面が強いんですね。
そのため、基本的には聖護院かぶの生産時期に合わせた、11月~3月あたりに販売期間が限られます。
賞味期限もその他の漬け物と比べて短く、購入してから1,2週間ほどに定められているので注意しておきましょう。
カット?丸ごと?美味しく食べる秘訣
さあいよいよ実食といきたいところですが、ここで一つある疑問が生まれました。
それは、
「この千枚漬けはどのように食べるのが正解なのか?」
という点です。
せっかく一枚ずつ大きなサイズでスライスされているので、このまま食べるのが乙なのか。
それともカットして少しずついただくべきなのか。
すると今回購入した西利さんの商品には、裏にこんな表示が。
「なるほど、重ねていちょう切りが正解か……」
けれども、やはり一枚丸ごと食べるロマンには勝てず
切る前にちょっとつまみ食いをしました。
栄養成分表示を見る限り、食塩相当量はかなり少ないのですが、お酢と昆布だしの効いた濃い味わいです。
真っ白な見た目からすると、かなりしっかりした味漬けがされているなと感じました。
かぶの柔らかい歯触りも個人的にはかなり好きですね。
もうちょっとポリポリと食べるものかと思っていたら、噛むたびにじんわりと口のなかで溶けていく感じです。
先にあげた京都の三大漬け物のうち、もっとも甘味が強いのがこの千枚漬けなので、少し漬け物が苦手な人にはまずおすすめしたいなと思います。
ちなみに、塩味は薄めなので、足りないと感じるなら醤油をかけて食べるのも一般的です。
薄い形状を活かして、生ハムのようにほかの食材を巻いて食べるのもありですね。
とりあえず、初めての方は一枚丸ごと使って、ご飯を巻いて味わってみてください!
ご飯の甘さが引き出されて、ビックリするくらい食が進みますよ!
今回の個人的な評価はこんな感じです。