こんにちは!「アマチュア漬け物研究家・漬けもナー」です。
先日、お土産で少し変わった漬け物をいただきました。
その名も「めし泥棒」という長崎名物です。
この「めし泥棒」というネーミング、個人的にはかなり角度があると思うんですよね。
「ご飯が何者かに盗まれたかのように消えていく」
「隣の人のご飯を盗んででも食べたくなる」
といった強気なメッセージを受け取るのは僕だけではないはずです。
僕はアマチュアとはいっても「漬け物研究家」を名乗る身ですから、
当然この商品をただ何となく食べて、
「あ、とっても美味しかったですー」
なんて薄っぺらい感想を伝えるわけにはいきません。
覚悟の決まった商品名には熱い気持ちで応えなければ!!
長崎名産「めし泥棒」そして同じネーミングを持った商品たち
ということで、今回は食べる前に長崎名産「めし泥棒」について調べてみました。
この素晴らしいネーミング、どこかで聞いたことがあるなぁと思っていたら、どうやら他県にも似たような商品名が存在しているようです。
たとえば、赤かぶを塩や醤油などで漬け込んだ飛騨の「めしどろぼ漬」、信州上田の「肉い親父の美味だれめし泥棒」など、個性豊かな漬け物たちが「泥棒」の称号をまとっています。
僕は親戚が中部地方に多くいることから、こちらのほうが馴染み深いです。
今回いただいたのは、長崎県南島原市にある「太平食品株式会社」さんの「めし泥棒」です。
いわゆる「なめ味噌」というジャンルに属している発酵食品であり、はだか麦と大豆に昆布やショウガなどを加えて熟成させたご飯のお供ですね。
原材料はこんな感じです。
このなめ味噌とは、味噌汁などに使う調味料ではなく、直接食用とする味噌のことを指します。
「食べるラー油」ならぬ「食べる味噌」というわけですね。
たとえば「ゆず味噌」や「ピーナッツ味噌」などがこのなめ味噌に該当します。
ビン入りで¥200という驚きの安さ
さて、この大平食品のめし泥棒、食べる前に特筆すべきなのはそのお値段です。
オンラインショップで調べてみたところ、なんと一ビン220g入りで¥200(税抜)でした!
これは安いですね!
(いただいたお土産の値段を調べるというマナー違反を犯していますが、その点はご容赦ください笑)
しかも、パックではなくツボに入っているというのが、お土産としての価値を高めていると言えるでしょう。
長崎の方からすれば、当たり前のように食卓に上がる一品だそうですが、正直なところ
「おいおいこの値段でこんなに堂々たる風格のお土産が手に入るのかよ……」
と驚かされました。
創業から約100年!大平食品株式会社の歴史と魅力
ここまで商品の魅力を知ってしまうと、漬けもナーとしてはやはり大平食品を追いかけずにはいられません。
ホームページへ飛んでみたところ、太平食品株式会社は本社も支店も営業所も長崎に置いており、地元をとても大切にしている企業であることがわかりました。
この大平食品、創業はなんと大正10年(1921)だそうです。
もうすぐ創立から100年になるんですね!
会社概要によると、モットーは「更なる美味しさ道づれに」
長きにわたり、漬け物と発酵食品一筋で更なる美味しさを追求してきたというだけで、僕はもう尊いと感じてしまいました……
ちなみにホームページのトップには、「茄子の宝漬」が大きく掲載されています。
これと「ごはん高菜」、寒干大根を天日干しした「雲仙おろし」、そして今回の「めし泥棒」が4大看板メニューのようです。
このうち「めし泥棒」や「雲仙おろし」は商標登録もされているなど、オリジナルの製品が多いのが大きな特徴だと言えるでしょう。
また、オンラインショップがとても充実しており、どの商品も通販で手に入れることができます。
まずは定番!ご飯との相性は?
さて、下準備をサラッと済ませたところで、いよいよ実食へと移りました。
今回は僕のほかに
同年代の「東京育ち甘党男子」と「東北出身呑兵衛女子」とともに、さまざまな感想を共有してみました!
僕はすでに大平食品さんのファンになってしまっていますが、あくまでも漬け物研究家として先入観を持たずに向き合います。
「めし泥棒」というくらいですから、やはりファーストコンタクトに白いご飯が必要なのは間違いありません。
熱々のご飯を用意して、ついにビンのフタを空けてみました。
すると、中からは九州地方独特の甘い醤油の香りと何とも言えない発酵臭。
すぐに
「これは単なるなめ味噌ではない」
と感じました。
その独特の香りによって、三人の間ではさまざまな意見が出てきました。
新たな出会いにはしゃぐ僕と呑兵衛女子に対して、
甘党男子は
「オレちょっと苦手かも……」
と弱気な発言をしたのです。
なめ味噌系は確かに賛否両論があるものだと思いますから、苦手な人は初めのうち少し抵抗を覚えるかもしれません。
ひとまず、それぞれがご飯にのっけて食べてみると、僕にはめし泥棒の名を冠していた意味がすぐにわかりました。
豆や麦の甘みとちょっとした塩味、それから昆布のうまみ。
これらが絶妙なバランスを保ってご飯に絡んでいくのです。
特に、はだか麦のプチプチとした食感が、飽きのこない味わいを作り出していると感じました。
塩辛いものが好きなイメージのある東北出身の女子にも、この味は結構受けが良かったみたいです。
「これは日本酒だわー」
とご飯もそこそこに、僕の家のお酒を空けていました笑
めし泥棒は、同時に人を「酒泥棒」にもさせるのです!笑
甘党男子はこんな工夫をしていた!苦手な人の食べ方
ちなみに、少し弱気な反応を示していた甘党男子の彼は、自分なりの食べ方を発見していた様子。
初めはチューブのショウガを加えて、発酵臭を抑えていました。
原材料にもショウガが入っているのですが、彼の場合はさらに増し増しで食べるのが口に合っていたようです。
また、マヨネーズを加えると、彼曰くとても美味しいということでした。
僕はマヨネーズが少し苦手なので試してはみませんでしたが、どうやら臭いが気にならないうえに酸味がとてもマッチするようです。
少し苦手だなぁと感じた人は、試してみると良いかもしれません。
いずれにしても、臭いで食わず嫌いになってしまうのは、ちょっともったいないなぁと感じるくらい美味しかったです!
僕はそのまま木綿豆腐のうえにのせて食べるのがもっとも美味しいと感じました。
めし泥棒自体にきちんと食感があるので、絹ごしよりもしっかりとした木綿のほうが合うのではないかと思います。
今回の個人的な評価はこんな感じです。
好みについては賛否が分かれそうだなと感じましたが、好きな人はとことんハマるだろうというのが率直な感想ですね。
お土産としての存在感と値段のバランスも評価に入れました。
長崎はカステラをはじめさまざまな名産を生み出す「お土産激戦区」ではありますが、このめし泥棒も強力な候補の一角を担っていると言えるでしょう。